化膿性汗腺炎の喫煙被害
タバコ煙の刺激とタール分の皮膚付着によって、皮脂腺の開口部を閉塞して化膿性汗腺炎の発生を助長すると考えられています。
喫煙習慣があると皮膚免疫力の低下も細菌感染を起こしやすくし、局所の血行障害は炎症後の代謝産物が運び去られているのを妨げます。これにより化膿性汗腺炎ができます。
ドイツのフィリップ大学で63人の化膿性汗腺炎患者による症例対照調査を行った結果、喫煙によって化膿性汗腺炎の発症リスクは9,4倍に増加することがわかりました。
化膿性汗腺炎とは?
汗腺(アポクリン腺)が化膿する病気です。
わきの下や乳房、外陰部、肛門の周囲などの生じるおできで、1つあるいは多発することがあります。
初めは痛みのあるしこりができて赤くなり、進行すると皮膚内に膿瘍を作ります。このときの皮膚の腫れは軽度であることが多いです。
急性の場合は、皮膚が破れて排膿して急速に治ります。
慢性化すると、膿瘍と膿瘍の間がつながり、あちこちから膿が出るようになります。
タバコとアレルギー
タバコの煙にはベンゼン、トルエン、ホルムアルデヒド、フェノールなど様々なアレルギー物質が含まれており、喫煙はもちろんのこと受動喫煙までもシックハウス症候群およびその他の化学物質過敏症を引き起こします。
中でも、受動喫煙による多種類化学物質過敏症は深刻で、正常な社会生活を奪われた被害者が多数存在しています。
喫煙による皮膚の老化は、活性酸素の関与によって、しみやしわ、病的な表情などからなるスモーカーズフェイスとなって現れます。
さらには、喫煙による皮膚の血行不良は靴ずれや床ずれの発生頻度を高め、皮膚免疫力の低下が加わることにより、にきびや水虫、感染性湿疹様皮膚炎、化膿性汗腺炎、乳房膿瘍のリスクを高めることがわかってきています。