正中菱形舌炎の喫煙被害
喫煙者では、正中菱形舌炎を起こして異物感を生じることが多く、舌がんを心配して口腔外科などを受診することがありますが、通常は治療の必要がありません。
マレーシア人39人の正中菱形舌炎患者の検討によって、その85%が喫煙者で、対照群の41%より有意に多かったと報告されています。
正中菱形舌炎とは?
正中菱形舌炎は、舌炎の一種で、舌の奥の中央部分に、菱形から楕円形で境界の明瞭な赤い病変がみられる病気です。
舌が発育していく際の先天奇形の形態異常と考えられています。
表面の糸状乳頭は欠損し、多くは舌全体が平滑ですが、ときに凸凹がみられます。
普通は自覚症状が極めて乏しく、食事がしみたりしなければ治療の必要はありません。
しかしこの舌炎は、真菌が感染することが珍しくないので、口腔の清潔には注意するべきです。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。