ワルチン腫瘍の喫煙被害
喫煙は唾液腺腫瘍、とくにワルチン腫瘍の主な原因とされています。
アメリカのプリンストン・バプテスト病院でのワルチン腫瘍患者149名の症例対照調査によると、喫煙によるワルチン腫瘍発生リスク増加は、男性で7,6倍、女性で17,4倍と算出されました。
ワルチン腫瘍とは?
唾液腺腫瘍の70%は良性腫瘍ですが、舌下腺腫瘍、小唾液腺腫瘍、顎下線腫瘍、耳下線腫瘍の順に悪性腫瘍の頻度が多くなります。
良性腫瘍は特に耳下腺に多くみられます。
ワルチン腫瘍は、耳下線腫瘍の一種で中年以降の男性に多くみられます。
これは、しばしば左右の耳下線に多発して、痛み急激な腫れなど、がんとまぎらわしい症状を示すことがあります。
乳小児には、血管腫、リンパ管腫、神経線維腫などがしばしばみられます。
これはただの良性腫瘍ではなくなんらかの免疫異常が関係した病気と考えられています。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。