慢性扁桃肥大の喫煙被害
喫煙によってのどのウイルス・細菌感染を増やすと共に、直接煙の成分が扁桃を刺激して慢性扁桃肥大をおこします。
日本の青年海外協力隊参加者490名の健康状態を調べた協力隊事務局診療所の報告では、慢性扁桃肥大のあった症例群の喫煙量が1日平均17,0本あったのに対して、対照群の喫煙量は13,7本で、この差は有意なものとなりました。
慢性扁桃肥大とは?
扁桃が病的に肥大した状態を扁桃肥大といいますが、慢性的に病的に肥大が続いた状態を慢性扁桃肥大といいます。
扁桃の大きさは、その程度により、T度からV度に分類されます。
T度は扁桃が後口蓋弓の線をわずかにこえるもの、V度は左右の扁桃が中央線で接するもの、U度はその中間にあるものをいいます。
子供の扁桃は、成長と共に肥大が進み、6〜7歳でピークに達し、その後退縮し、成人の多くはT度の大きさになります。
したがって子供の扁桃は、多くが肥大していますが、症状がなければ治療の必要はありません。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。