逆流性食道炎の喫煙被害
喫煙によって括約筋を弛緩させ、高度の確率で逆流性食道炎を発症させます。
アメリカのノースウェスタン医科大学の報告によると、喫煙者における食道括約筋圧力の低下を示しており、同国ブルック陸軍病院の報告によると喫煙による食堂の酸性度の上昇を示しています。
欧州腫瘍学研究所による男性1344人の横断調査によると、ヘビースモーカーの慢性食道炎発生率が非喫煙者の2,47倍であることがわかりました。
また逆流性食道炎は受動喫煙によって発生することも知られています。
カナダでは5歳までの食道炎患児97命の症例対照調査によると、受動喫煙によって家庭内喫煙者がいない場合に対する小児逆流性食道炎のリスク比は、母親が喫煙する場合は6,4倍、父親が喫煙する場合は3,5倍、両親共に喫煙する場合は8,4倍になると算出されると報告されました。
逆流性食道炎とは?
何らかの刺激によって食道に炎症をおこしたものを食道炎と言います。
食道の粘膜は皮膚と同じ扁平上皮で覆われているために、酸やアルカリに弱く、さらに、全身性の病気から感染症にいたるまで、皮膚炎を起こす原因となる病気のほとんどは同様に食道粘膜も冒すとされています。
そのなかでも逆流性食道炎は、食道炎の中で最も多くみられるもので、消化液の胃液や十二指腸液が食道まで逆流し、その刺激で食道が炎症をおこすものです。
胃の一部が胸腔にはみだすと、胃の内容物の逆流を防止している噴門部の筋肉の働きが低下して、簡単に胃の内容物が食道に逆流してしまうのです。
逆流の原因は、食道裂肛ヘルニアによるものが最も多くみられます。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。