肝硬変の喫煙被害
喫煙はアルコール多飲ほどまで影響力はありませんが、アルコール性、ウイルス性両方の肝硬変の進行を早めることが多数の報告によってわかってきました。
イギリス人医師3万4439人×40年間の大規模追跡調査によると、喫煙本数別の肝硬変による脂肪リスクは、非喫煙者の6人に比べて、喫煙者では32人となり、喫煙本数とリスクが相関すると報告しました。
これは単純にリスク増加率が5,3倍になるという結果となっています。
影響のメカニズムは不明でしたが、最近では、喫煙に伴う活性酸素による細胞傷害によるともいわれています。
肝硬変とは?
何らかの原因で肝細胞が壊れると、そこに線維が増加し、壊れた肝細胞と入れ替わり、肝臓が文字通り硬くなります。これが肝硬変といわれる状態です。
このとき、肝細胞の並び方や構成が変化し、再生結節と呼ばれるごつごつとした5〜20ミリメートルあのしこりができます。
肝硬変になると、肝細胞が減少して、健全な肝細胞も線維に囲まれるために、血液から十分な酸素と栄養素の供給を受けられなくなり、機能が低下してしまいます。
また、線維が増加して硬くなるために、肝臓全体の血液が流れにくくなり、血液の循環障害がおこります。
慢性ウイルス性肝炎やアルコール多飲が主な原因となります。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。