慢性膵炎の喫煙被害
喫煙によって膵臓の水分分泌が減少し、それにともなって膵液の濃縮が慢性膵炎の発症の原因となることがしてきされていますが、近年では、活性酸素の関与によって慢性膵炎を発症するとの指摘がされています。
名古屋大学では慢性膵炎男性91人の症例対照調査から、喫煙によって慢性膵炎発症リスク上昇を7,8倍と報告しています。
この報告によって、慢性膵炎発症リスクは1日の喫煙量よりも、喫煙年数や積算喫煙量とよく相関することも同時に報告されました。
また、喫煙が慢性膵炎の予後を与える影響は、岡山大学の慢性膵炎患者170名を平均7年追跡調査した結果に現れています。
非喫煙者の死亡リスクが49人中4人だったのに対して、喫煙者では121人中35人で、死亡リスク比は3,5倍となりました。
慢性膵炎とは?
慢性膵炎とは、膵臓で慢性の炎症が繰り返し持続されることによって、膵臓が破壊されて、その後に線維化がおこるなど、もとに戻らない変化をきたして、膵臓の機能が低下した状態をいいます。
持続または反復する背中の痛みや腹痛が初期症状としてあらわれ、進行すると、膵臓の外分泌作用の機能不全として、消化不良による脂肪便がみられたり、内分泌作用の機能低下によって糖尿病になったりします。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。