鼠径ヘルニアの喫煙被害
喫煙によって成人の鼠径ヘルニア発症リスクが上昇すると、多数の報告によって指摘されています。
デンマークのビスペピエ大学病院では鼠径ヘルニアを手術した患者544人を2年間観察した結果によると、喫煙群の再発リスクは非喫煙群と比べて2,22倍であったということがわかりました。
小児の鼠径ヘルニアは、本来閉じるはずだった鼠径管が閉じなかったという先天異常の側面をもち、妊婦の喫煙によって発生率が上昇するということもわかりました。
タンパク質分解酵素活性異常の関連によるものとされていることも指摘されています。
鼠径ヘルニアとは?
恥骨と腰の骨との間の靭帯の上方で腹腔内の臓器が鼠径部に脱出した状態です。
ヘルニアの中でも最も多く見られるのがこの鼠径ヘルニアです。
脱出しやすいのは小腸と卵巣です。脱出する経路によって外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアに分けられますが、大半が外鼠径ヘルニアです。
鼠径靭帯の下方で脱出するのを大腿ヘルニアといいます。
治療上では、鼠径ヘルニア1つとして扱われています。
タバコと消化器の病気
喫煙は歯周病の代表的な原因となります。
特に若い頃から喫煙をしていることにより、虫歯の数は増加しますし、受動喫煙によっても子供の虫歯が増え、血中コチニン濃度と虫歯の頻度が相関することも分かってきています。
歯肉の着色は受動喫煙児でも認められ、受動喫煙の指標となっています。
慢性咽頭炎や喉頭頭異常感症、大腸ポリープ、鼠径ヘルニア、小腸カルチノイド腫瘍などは、喫煙によって発症リスクが増大するだけではなく、治療までもうまくいかなくなります。
虫垂炎や逆流性食道炎は、喫煙による発症リスクの増加と、受動喫煙によって子供にまで影響を及ぼし発症させてしまいます。