咳喘息の喫煙被害
咳喘息は比較的新しい疾患概要であるということと、慢性気管支炎などと病態が似ているために、能動喫煙と咳喘息の関連を詳細に検討した研究はまだ見当たりませんが、受動喫煙との関係についてはいくつかの報告があります。
オーストラリアのジョン・ハンター病院での小学生390人の横断調査によると、受動喫煙時では慢性咳やたんなどの症状が有意に多く、好酸球そのものの増加は有意でなかったものの、好酸球の活性を示す好酸球カチオンタンパク質の増加(2,8倍)は有意なものとなりました。
咳喘息とは?
喘息というのは、気管支がけいれんしたり、たんが増加したために、肺への空気の出入りが悪くなる病気です。
そのため、苦しい息をするたびに、ゼーゼー、ヒューヒューといった音がします。
これが代表的な症状の喘息発作ですが、治療によって、または自然によくなるのが特徴です。
咳喘息というのは、喘息の発作というより、せきだけの症状が現れる喘息です。
アトピー性皮膚炎や花粉症などアレルギー性の素因を持っている大人や子供に好発し、血液検査で1gEや好酸球などアレルギーの指標が高値になっているとともに、喘息の治療薬が著効することで診断がつきます。
咳喘息のうち30%が本物の気管支喘息に移行していきます。
タバコと呼吸器の病気
喫煙者や受動喫煙者は気管支が狭窄してしまい、呼吸機能検査の数値が著しく低下してしまいます。
皮肉なことに受動喫煙にさらされている非喫煙者は、軽喫煙者と同等の機能低下をきたしています。
急性の低下は数分の受動喫煙でも起こってしまい、喘息患者などへの影響も懸念されます。
喫煙により、肺ランゲルハンス細胞肉芽腫症、好酸球性肺炎、成人呼吸促迫症候群、特発性間質肺炎など肺の間質に起こっている病気や、喉頭ポリープ、自然気胸、呼吸細気管支炎、睡眠時無呼吸症候群などの病気もほとんどはリスクが高まります。
特に、好酸球性肺炎は受動喫煙との関連も指摘されていますので、注意が必要です。