急性喉頭蓋炎の喫煙被害
日本大学の亀谷らによると、急性喉頭蓋炎93例の検討において、患者のうち69人が喫煙者で、喫煙患者のほうが炎症所見も強かったと報告しています。
気管切開などで気道を確保する必要のあった7名中でも、うち6名は重度の喫煙者であったことからも、喫煙を急性喉頭蓋炎の誘引かつ悪化因子と位置づけています。
急性喉頭蓋炎とは?
喉頭の組織の一部に喉頭蓋があります。喉頭蓋は、喉頭をふさぎ、食べ物が気道に入らないようにする役割を果たしています。
急性喉頭蓋炎は、この部分に生じる、細菌感染による喉頭蓋粘膜下組織の蜂巣織炎の一つで、B型インフルエンザ菌の感染が原因とされています。
欧米では、乳幼児に多い病気とされていますが、日本では成人にみられます。
時として風邪から喉頭蓋の急性炎症を起こすことがあり、喉頭蓋炎と呼ばれますが、喫煙によって発症確率が上がります。
タバコと呼吸器の病気
喫煙者や受動喫煙者は気管支が狭窄してしまい、呼吸機能検査の数値が著しく低下してしまいます。
皮肉なことに受動喫煙にさらされている非喫煙者は、軽喫煙者と同等の機能低下をきたしています。
急性の低下は数分の受動喫煙でも起こってしまい、喘息患者などへの影響も懸念されます。
喫煙により、肺ランゲルハンス細胞肉芽腫症、好酸球性肺炎、成人呼吸促迫症候群、特発性間質肺炎など肺の間質に起こっている病気や、喉頭ポリープ、自然気胸、呼吸細気管支炎、睡眠時無呼吸症候群などの病気もほとんどはリスクが高まります。
特に、好酸球性肺炎は受動喫煙との関連も指摘されていますので、注意が必要です。