尿道炎の喫煙被害
フランスにおける男性尿道炎患者60人による症例対照調査によると、喫煙による尿道炎リスク増大は2,9倍となり、この差は性行動のタイプを考慮に入れても統計的に有意であったことがわかりました。
(この調査で検出された尿道炎起因菌は、淋菌、クラミジアなどでした。)
これは喫煙によって性器の局所免疫力の低下が原因ではないかと考えられています。
尿道炎とは?
膀胱にためられた尿は、尿道を通って身体の外に排出されます。
尿道に炎症が起こって痛んだり、赤くなったり、膿が出たりするのが尿道炎です。
尿道炎は薬物などによる刺激やアレルギーによっても起こりますが、大部分は細菌の増殖によっておこります。その代表が淋菌性尿道炎とクラミジア尿道炎です。
これらの細菌は通常、人の細菌に対する抵抗力とバランスが保たれていて、炎症はおこしません。しかし、例えば尿道にカテーテルを入れると、異物であるカテーテルの表面には人の抵抗力が及びにくく、常在菌が増殖して尿道炎が起こります。
タバコと泌尿生殖器の病気
喫煙男性は非喫煙者と比べると精子の数が少なく、運動能力が低く、貴兄や染色体異常が多いことがわかっています。
喫煙による精子異常は男性不妊、早産、流産、先天異常、小児がんの原因にもなります。
古くから知られていた喫煙による勃起不全は、陰茎海綿体での平滑筋拡張物質の合成阻害によることが最近の研究でわかってきました。
ペニスが湾曲するペイロニー病も喫煙によって発症しやすくなります。
胎児期に母親の喫煙でタバコ煙に暴露された人では、成長してから卵子の異常による女性不妊症や、精子濃度不足によって男性不妊症をおこしやすくなります。喫煙による膣の正常細菌そうの破壊は細菌性膣炎をもたらしてしまいます。